ここ一、二週間ほど、雨と強風の悪天候が続いています。
マウントクックは、NZとオーストラリアとのあいだにあるタズマン海から吹き寄せる湿った西風がサザンアルプスの山脈でいっきに雨雪を落とすために(ちょうど冬の日本海と日本アルプスの関係ですね)、元来その山頂を見られる確率が低い山といわれております。一般的にいわれる確率がおよそ3分の1なのですが、ここ二週間に限れば、おそらく20%に満たないのではないでしょうか。
ここ数日は風もおさまったのですが、先週はずっと、晴れでも雨でも連日台風並みの暴風。フッカー谷で渡る二つの川は、突風によって下から吹き上がる水の飛沫が30mの高さにまで達し、そのうえにかかる二つの吊橋はノタウチマワル大蛇が如く。背の高い植生のない氷河地形では、風によって飛ばされた砂利が散弾銃のように顔を撃ち…… といった具合で、ぼくたちガイドにとっても、そしてもちろんお客さんにとっても、難儀なツアーが続きました。
それでも(ガイドが危険ではないと判断する範囲内で)ツアーは行われます。せっかく旅行中の貴重なお時間を割いて来てくださっているので、悪天候も含めて、この自然のスケールを感じていただきたいのです。もちろん無理をさせるようなことはしませんが、そんな日のツアーは、ホテルに帰ってきたときの、スタート時に比べてすこし逞しくなったお客さんの顔が印象的です。
自然の厳しさは、人間を強くします。肉体的に、そして精神的に。
ぼくの座右の一冊、サン=テグジュペリの『人間の土地』は「ぼくら人間について、大地が万巻の書より多くを教える。理由は、大地が人間に抵抗せんがためだ」(堀口大學訳)という文章ではじまります。「行動の思想家」と呼ばれることもある著者らしい一文ですが、山や自然の中に身を置いたことのある人にはきっと、理解していただけるのではないでしょうか。
(余談ですが、ここのブログのタイトルも、『人間の土地』の英語版のタイトル"Wind, Sand and Stars"からのモジリだったりします)
ここマウントクック周辺の自然で鍛えられ、のちに世界的な有名人になったのが、世界最高峰であるエベレスト(8850m)の初登頂を成し遂げたエドモンド・ヒラリー卿です。
じつはヒラリー卿の伝記をマウントクックに来るだいぶ以前に買っていたのですが、しばらく手がつけられず(英語の本は、読みはじめが一番の難関なのです^^;)、ようやくこの悪天続きで本腰入れて読みはじめ、先日読みきることができました。
、、、というわけで、肝心の本については長くなるのでまた次回。つづきます~
2009年12月2日水曜日
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