雪崩講習会も終わってホッと一息。相方とふたり、朝夕とハウスキーピングとチャイルドケアの仕事をしながら、日中は本を読んだり買い物に街に出たり、昨日は近隣の古い街並みが残るアロータウンまで観光にいったりと、まったりとした時間を過ごしております。
お世話をしている子どもは、生まれつきの知能障害をもった13歳の男の子。お母さんのお話によると、身体や筋力こそ年齢相応くらいのものはあるのですが、知能レベルは3~4歳児くらいとのことでした。言葉は(なにせkiwiのお父さんと日本人のお母さんをもつぐらいですから)英語・日本語ともに理解はできますが、喋るのは「ダダ」とか「ママ」とか「カー(車)」「バッ(お風呂・バス)」などの簡単な単語しか言えません。あとは特定のしぐさを使ってコミュニケーションをしています。それでも学校教育は年齢にあわせて進学し、現在は専用のクラスルームと先生のいる街のハイスクールに通っています。
つまり、彼が朝6時くらいに起きてから9時前に学校にいく(障害児のため自宅から学校までのタクシー代が補償されています)までの3時間弱と、3時半くらいに帰宅してからお仕事に出ていたお父さんが6~7時くらいに帰ってくるまでの3時間ほどが、ぼくらふたりだけで彼の面倒をみなくてはいけない時間なんですね。
楽しいことと食べることが好きで、とくに『おかあさんといっしょ』のビデオなんかはぼくもいつの間にか口ずさむようになってしまったくらい大好きでしょっちゅう見たがるのですが、かれにはひとつ問題が……
それは、じぶんがやりたくなったことを、一刻も待つことが出来ないのです。
昨日も夕御飯を食べながら「麦茶」のサインを送ってきたので、コップをだしてお茶を注いで、ついでに彼が毎日飲んでいるお薬をお茶に混ぜようとしていたら、待ちきれなくなった彼はアーだのギャーだの叫びだして、「待ってて」といったらぼくの髪の毛をひっぱりだす始末。とにかく筋力は同年代の男の子並みで、しかも力の加減というものをしらないから、髪の毛をひっぱられたり腕をつねられたりするとメチャメチャ痛いんですよ。
とにかく彼の「つねる」「ひっぱる」は、彼のお父さんお母さん、そして学校の先生にも「厳しく注意して絶対にやらせないように」といわれているので、やられたら即刻大声で叱るのですが、本人はそのときはいやいやそうな顔つきで「んーっ!」とかいいながら頷くのですが、やはりついつい手が出てしまうことがあるのです。とくにタクシーの運転手さんなど、普段から注意されていない人が相手だと出てしまうことがあるようで、先日もタクシー会社から学校に苦情が入ったとのこと。
ぼくがまだ小さかったころはよく母親にふとももを思いっきり叩かれては泣いて、昔は母が手を挙げただけで反射的に防御体勢をとってしまったものでした。必ずしも体罰がいいと思うわけではないですが、やはり言ってきけない子には体で覚えさせなくては?と思うのも事実。しかしチャイルドケアとはいえ、そこまでしていいのかという気もするし……(アメリカではよくベビーシッターの虐待が問題になるのです)そもそも、彼がそれをいつまでも「できない」のは、単に甘えているせいなのか、それとも生まれつきの障害によるものなのか?
出過ぎな真似は承知しながら彼の将来を考えれば、そういう躾は彼が社会に、否応なしに、出なくてはならなくなったときのためにしておかなくては、と思うのです。彼が、それがために独りで孤立してしまうようなことになっては、あまりに可哀想ですから。
塾講師のバイトをしていたときにも感じたのですが、他人の成長にかかわる仕事というのは(当然ですが)じつに責任の重たい仕事です。でも考えてみたら、スキーのイントラだってそういう意味ではおんなじ。
まっ、悩んだって未来のことは分からないから、とにかく試行錯誤でやってみるしかないんですけどね。
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