ダーウィンからアデレードまで、二泊三日の列車旅は大陸縦断3000kmという響きからは想像もできないくらいにあっという間に終わってしまいました。
変化の乏しい風景と、けっして広いわけではない客室で、いったいどれほどの暇をもてあますことになるのかと恐れ、そしてわずかばかり(怖いもの見たさに)楽しみにもしていたのですが、じっさいは、最終日になってはたとじぶんが車窓からの風景をいまだじっくりと見ていなかったことに気がついて、ようやく腰を座席に落ち着けて、飽きるまで外を眺めていようと思ったくらいでした。なにせ前半二日は、日中に途中停車するキャサリンとアリス・スプリングスの町で3~4時間ずつの観光タイムに、乗車中も朝・昼・晩とそれぞれじっくりと時間をかけたコースメニューの食事のおかげで、案外客室でボーっとできる時間は少ないんですね。
The Ghanの客室は、座席のみのレッド・カンガルークラスと、シングルorツインから選べるゴールド・カンガルークラス、ゴールドよりも部屋が広めなプラチナ、そして各便にひとつだけついている豪華車両貸し切り(それも専属のシェフや客室乗務員つき)のプライベートにクラスが分かれており、それらすべてが延々30車両ほど、長さにして700m、繁忙期だと先頭車両から最後尾まで1kmもの距離になるそうです。
今回ぼくらは、誘ってくれた祖父母にあわせてゴールド・カンガルークラスでの乗車。客室は、狭いながらもそれぞれトイレ・シャワー付き、日中は4人が並んでゆったり座れる座席で、夜は二段ベッドになるという寸法です。
洗面所はトイレと手洗いが折りたたみ収納式で、「よくもまぁ」と感心するほどにコンパクトにまとまっています。祖父母にはちと狭く感じられたようですが、どうしてなかなか、シャワーも湯量・湯温ともにふつうに文句ないレベルでしたよ。
食事は毎食、食堂車にて。四人掛けのボックスシートで、電車がガタンゴトン揺れる中、前菜・メイン・デザートとつづくフルコースメニューをいただけます。
最後のディナーのあと、シェフ自らがお客さんに配ってまわったチョコレートはじつに美味でした。
しかし、これまで場所を変え変え、宿泊業や飲食業で働いてきたぼくがとくに気になったのは、職場としてのThe Ghan。ちょっと顔見知りになったウェイターさんに訊いてみたら、かれらは一回の勤務で往復6日間(うち一泊は折り返しのダーウィンでホテル泊)、早朝から晩まで、一日10~12時間の勤務時間らしいです。
「たいへんだけど、けっこう給料はイインダヨ~」といっておりました。
食堂車のウェイターさんなんて、一回で12テーブルの食事の進行具合を見ながら、揺れる車内できびきびと動きながら、食事の済んだお皿を両腕に5枚も10枚もいっきに運んでいて、じぶんが同業者であるが故に、よりいっそうの感心の眼差しで追ってしまいました。
もしいつかオーストラリアにワーホリで行くことになれば(おそらくそれはないと思うけれど)、是非アプライくらいはしてみたい職場ですね。
ふだんのぼくらのライフスタイルからはかけ離れた、けっして自ら足を踏み入れることはない(というか金銭的に無理^^;)二泊三日でしたが、じつに良い刺激と経験になりました。
ゴールド・カンガルークラスのお客さんの、ベルト回りのでっっっぷりとした、いかにも裕福そうなオージーご夫婦の多かったこと。たとえ将来ふたたびThe Ghanに乗る金銭的余裕ができたとしても、ああはなるまいと心に誓ったのも、この旅行で得たひとつの成果でしょう(笑)
誘ってくれたじいちゃんばあちゃん、貴重な体験をさせてくれて、どうもありがとうございました!

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