2010年2月14日日曜日

ネルソンの夜に

四年前のちょうど今くらい、ぼくは自転車でニュージーランドを走っていた。大学の部活仲間3人で、まだ卒業判定も出ていないのに出発した卒業旅行だった。
自転車にテント、寝袋、食料、燃料、日記代りのスケッチブック、、、すべてを積み込み、牧場にはさまれて延々に延びる直線道路を、曲がりくねった海沿いの道を、厳しい峠の上り坂を、そして最高に爽快な下り坂を、仲間と苦楽を共にしながら二ヶ月間、街から街へとペダルを漕ぎつづけたものだった。

クライストチャートからブレナムを経て、ネルソンに到着。しかし宛てにしていた仕事情報に乏しく、明日はヒッチハイクで、より北の、周囲に農園の多いモツエカに移動するつもりでいる。そこでも仕事が見つからなそうなら、思いきって北島に渡るとか、(自身酒が飲めないので敬遠しているのだが)ワイナリーの多いブレナムに戻ることも考えなければならないだろう。
しかしモツエカは、海の美しさで有名なエイベル・タズマン国立公園の入り口でもある。そこで仕事を見つけられればひと月くらいゆっくり居られるし、付近の自然にもたっぷりと浸ることができる……

クライストチャーチからブレナムまで、Tranz Coastalの車窓から眺めた風景は、四年前にぼくらが自転車で走ったときに見たのと同じものだ。とくにホエール・ウォッチングで有名な観光地であるカイコウラの前後の風景は、陸が海に墜ちる斜面のわずかに削られた平地に線路と国道とが走っているために、北上と南下の違いはあれど、斜面のすそをカーブで廻り込むたびにあのときの情景が甦ってくるようで感慨深い。
「3人で朝からアイス2リットルを一気食いしたら、腹が冷えた所為かみんな昼くらいにはバテて動けなくなっちゃって、普段の半分くらいの距離しか進めなかったのは、たしかカイコウラの朝だったっけ」なんてことも思いだす。

ぼくは、ナニモカンガエズニ、身体を動かすのが好きだった。山でも自転車でも、リズムに乗ったあとはただ頭脳のおもむくままに思想・想像の蔓を伸ばしてゆく。たいていは非常にどうでもよい、これっぽちも人類の進歩にはつながらない類のものである。大抵そんなときの風景は頭にはいっていない。あとから思いだそうとしても、記憶がすっぽり抜け落ちたようにカラッポだ。
でも、自分が体感したことなら覚えている。あそこはつらかったとか、これには悩んだとか、こんなことで笑っていたとか。
ぼくはナニモカンガエナイ瞬間が好きで旅をつづけているが、思い出に残るのはそれ以外の瞬間である。そして、そこには大抵だれか他のひとがいる。

今回なら、相方だ。

ぼくらがニュージーランドに入国して、明日でちょうど9ケ月。もう一年の「4分の3」!
あっという間だった気がするのは、、、ナニモカンガエズニ、ボーっとしてたから?いやいや。自転車こそ漕いでないけど、ずいぶんといろんな時間を相方と送ってきた。ケンカもしたし、ヒーヒー言いながら山も越えたし、冬はその日その日の雪質に一喜一憂していたもの。ボーっとしてても、いろいろあっても、どちらにしても時間はあっという間に通り過ぎていくなんて、ちょっとズルい。
残された2カ月ちょいも、相方と一喜一憂しながら思い出にのこる時間をつくっていきたいなぁ……

これまでの相方に、ありがとう。そしてこれからもヨロシク頼むよ♪

、、、なんて文章のまとまりもないホントにしょーもないこと、人類の進歩にはいっさいつながりそうもない(間違いなくつながらない!)けれど、たまにはこんなのも文章に残しておこうかな、なんてネルソンで迎えたバレンタインの夜でした。


あ、ダニーデン編を忘れてた(^^;)

スコティッシュ建築の教会やなんかもキレイでしたが、なによりもオタゴ半島でのワイルドライフ・ツアーが良かったですよ。
念願だったロイヤル・アルバトロス(アホウドリ)をはじめ、イエローアイド・ペンギン、シーライオン(トド?)、おなじみのファーシール(オットセイ)を間近で観ることができて大満足です。とくに翼をひろげたら3mを超えるアルバトロスの優雅さは素晴らしいです。
これまでにまわった南島の都市のなかで、いまのところダニーデンがイチバンですね。

まぁしかし、ときにはイチバン良かった街よりも、道中考えていたしょーもないことのほうが大切だったりもするわけですよ。
またダニーデンの写真もPicasaにアップするつもりなので、詳しくはフォト・アルバムか相方のブログを御参照ください~♪

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