突然ですが、「雨具」のお話。
山登りをするときに最低限必要な装備のなかに、雨具があります。天候の変わりやすい山岳地帯では、たとえそのときは天気が良くても、万が一に備えてザックの中に雨具を忍ばせておくのが鉄則です。雨が降っていなくとも、山頂で予想以上に冷たい風に吹かれてしまい雨具のお世話になることも珍しくはありません。
現在は、山用の雨具としてはGORE-TEXという防水透湿素材でつくられているものが一般的。この素材だと、液体の水(つまり雨滴)は通さないけど気体の水蒸気は透すので、昔のビニール雨具とちがって雨にも濡れないし内部が蒸れることもないんですね。
ただしそれは、理論上のお話。
実際は、やはり使い込むほどに防水性能が落ちてしまうのが現実。メーカーもいろいろメンテナンス方法や、防水性能を復活させるスプレーや洗剤を出してはいるのですが、完全防水の夢はいまだ叶いません。
ところが! (と、ここからが本題)
ニュージーランドには、全世界の登山者が夢みる「完全無敵の雨具」があるんだそうです。ニュージーランド人の知り合いが教えてくれました。
それは、、、
「人の皮膚に勝る防水素材はなし!!!!」
……?
………… (--;)
つまり、よく外人さんが雨のなかを傘もささず、雨具もなしで、素知らぬ顔で歩いているのは、そういうことなんだそうです。
どうせ雨具を着たって雨具も服も染みて濡れるんだから、はじめっから半袖短パンのみで被害を最小限にしてしまえ、という発想ですね。こっちでは山を歩いているひとでも、下は雨具を履かずに短パンに泥よけのスパッツだけして、膝周辺は皮膚を出しているひとをけっこう見かけます。
「そんなバカなっ!」
というのが、日本人の(とくに日本の登山者にとっては)正常な反応でしょう。ぼくも、です。
しかし、先入観を取っ払って冷静に考えてみれば、山登りでも、状況によってはそれもアリかな?と思える場合もあります。たとえば、歩くのが少しの時間で、乾いた雨具を温存したくて、歩き終わったらすぐに温かいシャワーを浴びれるような……
まさに昨日のぼくのように、です。
昨日は夜半から一日中土砂降りの雨。村内でも普段はただの歩道が川になってしまって大変なくらい。しかし、じつはこんな天候の日にこそ美しい場所がマウントクックにはあるんですね。それが村のすぐ裏手にある「ガバナーズ・ブッシュ」という、原生林の散策路なのです。
「ガバナーズ・ブッシュ」は、マウントクック国立公園内としては唯一、ニュージーランドの原生林のなかを歩くことができるトレッキングルート。周回1時間ほどのeasy walkなのですが、大雨の日は路脇のコケのやシダの断面から、雨水が玉すだれを連ねたように流れ落ちて、さながら小さな白糸の滝のよう。

以前からその写真を撮りたいと狙っていたところに、この休日の豪雨。
翌日もあまり天気が良くなさそうな中ガイドの仕事が入っていたので、雨具や登山靴は濡らさないNZスタイルで行くことにして、上半身こそTシャツに雨具ですが、下は水着にサンダル。カメラはレリーズとシャッタースピードを遅くするNDフィルターをつけた状態でラフティング用の完全防水バッグにいれ、三脚は手持ち。水溜りでも水しぶきでも、なんでもこいや!w
、、、雨の日の山歩きが、こんなに明るく開放的で愉しかったのは生まれて初めてです♪
滝のような雨のなか森に入ると、帽子を叩く雨数は減り、替わりに木々の葉っぱに「ぴちゃんぴちゃん」と跳ねる音が聞こえます。雨なのに、意外なほど小鳥がよく鳴いています。やはり登山道は、あるいは池に、あるいは滝になっていますが、今日はそんなのお構いなし!
頭上が開ける頂上部ちかくで、お目当てのコケの滝の撮影。手早く三脚を据えて、絞り優先モードでシャッタースピードを調整しながらレリーズを押していきます。いちおうカメラのうえにビニール袋はかぶせていますが、ボディもレンズもやはり少しずつは濡れていってしまうので、撮影は時間との勝負です。


、、、どうでしょう?少しは雰囲気が伝えられているでしょうか?
勝負は30分キッカリで終了。またジャブジャブ登山道を下りてきて、最後に初の水着山行の記念にじぶんをパシリ、ロッジに帰ったら速攻シャワーを浴びました。
雨の日には「完全無敵」の水着登山。くれぐれも慎重に、万全の安全を確保したうえでなら、是非皆さんにもオススメです(笑)
雨の日の森って、すっっっごいキレイですよ♪